2008年02月08日

古代後期ローマン・モザイクの解読@カサーレ荘 V-A

Corridor of the Great Hunt 大狩猟の廊下 (左半分)

一番有名なこの廊下は66メートルもあり、上下に分かれているようで、入り乱れていて、ざっと見て終わりにしてしまうのだけれど、良く見ると面白い。

大狩猟というが、動物たちは殺さずに捕獲するので、動物捕獲大作戦とでもいおうか。船に乗せられてローマのコロセウムに送られる。ローマは廊下の中央にある。

まず左から見ると、豹の捕獲で始まる。

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周りは草原である。

狩人たちは丸い盾を並べて豹を囲い込もうとしている。

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もちろんそう易々とは捕まらない。前もって豹の子供を捕まえてある。青い台の上の黄色い物体が豹の子供だと思われる。だから、豹は切なく近寄っている。

ちょっとハンサムな狩人が後ずさりしているようだ。盾の向こうには何があるのだろう。

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やや、これは残酷なこと。ライオンがうまそうに食っているのは人間である。

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初めはワニかと思ったが、ワニの尻尾ならひとつだが、右にあるのは2本の足だ。

豹はガゼルも襲っている。

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しかし、背景には家や橋がある。実際こんな場所で豹がガゼルを食うわけはないが、草原から街に近づいていることを表している。

逃げるガゼルが美しい。

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ガゼルの脚の下にあるのは影である。この絵の影は人間でもふくらはぎ以下だけ短く描かれていておかしい。それなら付けなくても良さそうなものだけれど、現実感を出したかったのだろう。

下段を見ると、すでに動物の搬送が始まっている。馬に乗った監視役に睨まれながら下っ端が荷車を押している。

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この男は牛に鞭を入れている。牛はうらめしそうな目をしている。

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赤い服の男(たぶん奴隷)が何かから逃げてくる。

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サボっていて監視役から叩かれているようだ。

その後ろでは動物が箱に入れられて運ばれている。

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ほら、この脚の影、面白いわよね。

イノシシは網に包まれて運ばれている。

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たぶん、生け捕ったときの網だろう。

美しいオーストリッチを抱いた男。

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足元の板が斜めで手すりもある。これは船に乗るタラップ。

牛も船に乗せられる。でも行き先で殺されるのを知っているのか、抵抗している。突っ張る前足がとても良い。

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ここで右上に注目。魚がいる。そういえば横線は波だ。海です。

牛さん、観念しなさい。もう船の上です。

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船に積まれた箱。初めは小船だと思ったが、マストも高い大きな船です。

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とても素敵なデザイン。ラヴェンナのモザイクを思い出した。

船の右側はすぐ陸になる。波の横線が左にある。積み下ろしです。

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象がいる。イヤイヤして踏ん張っている。

下の人たちは箱を担いで運んでいる。

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青い鳥を抱いた奴隷。美しい色彩。

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お仕事をしない3人の男。

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帽子を被り、チュニックを着ている。実は、ローマの人です。入国検査官か?

さて、中央まで来たところで、いったん終わります。というのは、構図上、左右から始まって中央で終わるので。改めて右から始まる図を解説します。⇒大狩猟の廊下、右半分を見る

インデックスカサーレ荘概要のページにあります。
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posted by iconologist at 17:11| Comment(0) | '06 古代ローマン・モザイクの解読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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