2008年02月15日

古代後期ローマン・モザイクの解読@カサーレ荘 XVI

Room Of Little Hunt 狩猟の間

Little Huntとなっているのは、Great Huntn大狩猟の廊下という絵があるからで、別に小さなものを対象にしているのではない。普通の狩猟の場面を描いている。

この部屋のモザイクは素晴らしく保存状態が良く、大きさからいっても、個室ではなくリヴィング・ルームであったと思われる。

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床の中央に2つの大きな場面があり、周りに各々の狩の場面がある。中央の2つが面白く、他を理解しやすりので、この2つをまず見よう。

上の絵で木の周りに3人の男が集って何かをしている。

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木の間には、甘茶をかけてもらうお釈迦さまみたいな小さな像がある。この像は小さな弓を持っている。狩の女神、ダイアナである。

中央の赤い服を着た男がこの別荘のオーナーで、皿の上の小さな香木を火にくべている。左の黄色い服の男は赤い馬をひいていて、右の薄緑色の服の男は灰色の馬をひいているが、2人の息子である。右の端に小さな男の子が犬と遊んでいるが、右の息子の子供であろう。左の息子は独身か、まだ子供がいないと思われる。

実は、この狩のシーンには大勢の人がいるように見えるが、この3人が繰り返し現れる。他に家来が数人と、使用人の奴隷たちがいる。

次の重要な絵は狩の後のバーベキューである。木に結ばれた赤いテントの下で5人の男が食事をしている。両端のふたりは顔が見えないが、幸い中央の重要な3人のモザイクはちゃんと残っている。

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中央のテーブルには鳥の丸焼きがある。網で捕ったものらしいことは、左の木に網がかかっているので想像できる。息子たちの馬がつながれている。オーナーの馬がないのは、オーナーは狩には余り関係していないからだ。

下にはグラスを差し出す奴隷と、皿に残った骨かなにかをバスケットに捨てている奴隷がいる。テーブルの鳥はまだ手が付けられていないようだが、何匹も食べるのかしら。

狩を見てみよう。こちらは2人の息子が鳥を捕っているところ。木から落ちる黒い物体は鳥だろう。

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右の男の肩に鷹がいるので、鷹を使って猟をしているのだと思われる。左の男は鳥を掴んでいる。

この絵の上には獲物を運ぶ2人の男がいる。

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息子たちがこんな仕事をしたのか疑問だが、服装が似ているところ、左のほうが右より小さいこと、そして、赤い愛犬がいることから、2人の息子かもしれない。

その上の狩猟犬を連れている黄色い男は息子ではないと思われる。

しかし、この絵の右にはその狩猟犬をけしかけて猟をする薄緑色の服の男がいる。

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ちょっと雑な服だが、左が下の息子なら、こちらは上の息子かもしれない。雑なのはモザイク自体が雑なできだからか。

右下のウサギを持つ男は髭もあるし、家来の一人だろう。

猟のやり方も色々描かれている。下段の左がわは網に動物を追って生け捕りにする猟。

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赤い馬と灰色の馬に乗った2人の息子が追い込んでいる。

さて、面白いのがこの右側の絵だ。猪を射止めるところ。

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まず、左下の男をみよう。黄色い服だがデザインが違うので息子ではない。猪に追われて転んでいる。2匹の犬は勇敢に立ち向かうが、勝てない。他の狩人は岩陰に隠れ、石で狙おうとするだけだ。そこへ現れた、じゃんじゃじゃ〜〜〜ん、赤い服の男! 猪の正面から槍で一発でしとめる。つまり、オーナーの武勇伝なのよ。そして、友人の危機を救う情け深い人間として描かれている。

面白いことに、彼が狩に関係するのはこのときだけなのである。

そういうこともあって、このモザイク画はは人の集まるリヴィング・ルームだが、それも客人用のリヴィング・ルームに創られた。

インデックスカサーレ荘概要のページにあります。
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posted by iconologist at 14:03| Comment(0) | '06 古代ローマン・モザイクの解読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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