この細長い部屋は水浴や温浴の前などに体操をしたと思われる部屋である。この長さ全体にローマの大スタディアムにおける4輪馬車の競技が描かれている。
チルコ・マッシモはローマのアヴェンティーノの丘とパラティーノの丘の間に広がる広大な空き地のようなところだ。

実は、ここでの競技の様子をその時代に描いたのはこのモザイクだけなので、その意味でも大変重要なものだ。今はポポロ広場に移動させられたアウグスタスのオベリスクが中央に描かれている。

オベリスクの右の人物が勝者に与える棕櫚の葉を持っているので、ここがゴールである。
とするとオベリスクの左がスタートとなる。馬がまだ元気良く飛び跳ねている。オベリスクの手前は反対側を廻る馬車である。
これが勝利した馬車。いちばん奥の馬は急ブレーキでつんのめっている。

なぜか猫のような動物が2匹いる。円盤投げをする像があるが、ここではそういう競技もあったことを示しているのかしら。
右の建物は飾りではなく、本物の神殿があったことを示している。もちろん中央ではなく、外側である。ここにはヘラクレス、セレス、フローラを奉る3つの寺院があった。これは地味だから大地の女神セレスだろうか。
惜しくも2位になった馬車。御者は鞭を入れているが、馬はもう適当に歩いている。

その間にいる男。バナナのようなものを差し出しているが、違う。大きな袋には水が入っている。馬が通ると水をかけてやる係り。
この中央にも搭のようなものがある。ひらひらした衣装の人がフローラではないかしら?
正体不明の動物が右に走っていく。
右端にはターニング・ポイントがある。この寺院の上にいるのはスカーフをなびかせたヘラクレスだろうか?

面白いのは右のスプーンのようなもの。まさか。では卵が載ってっている? まさか。でも、ほんとうに卵なのだ。7つの卵は7周するというラップを表している。
この競技は、ローマの貴族が私財を出して開催するものだ。これほど細かく描かれているということは、このシチリアの別荘がローマの貴族のものであったという推測になる。
ローマン・モザイクの解読はこれで終わり。もうひとつかわいい部屋があるのだが、昔の写真をコピーするのも面倒くさいし、解読するほどのものでもないので、ここでお終い。
★私は全くの素人なのでこの記事の信憑性については保証しません。ひとつの見方として楽しんでください。
インデックスはカサーレ荘概要のページにあります。
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