2014年03月17日

サンタ・マリア・マッジョーレ教会、コズマーティ様式の床、ベルニーニのお墓、etc.

2012年3月24日、サンタ・マリア・マッジョーレ教会の床は多くのコズマーティ様式のものが残っている。

オスティア・アンティーカの遺跡でもよく見られた結び目(KNOT)に似ている。

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ダヴィデの星

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修復もちゃんとされたみたいだ。

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材料は古い建物に用いられたものなどを細かく砕いて使ったようだ。

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円形は柱を横に切ったものである。

この大きな円形の中にΑとキリストのモノグラムとΩが描かれている。

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周りにも字が彫ってあるから重要なものなのだろう。

この床の美しさに比べ、天井は醜悪だ。

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枠天井は金を張ってある。これだけなら好みではないが醜悪とは思わない。

でも、この金がスペインのフェルナンドとイザベラが寄付したものとなると話は違う。
スペインのラテン・アメリカでの蛮行、強奪の結果である。

スペインは忘れて、今回の目的だったベルニーニのお墓を探した。

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ありました! ラテン語でジャン・ロレンツォ・ベルニーニと書かれている。

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ローマの美術に貢献した、と献辞が書かれている。
ジャン・ロレンツォだけでなく、ファミリーのお墓である。
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2014年03月14日

サンタ・プラッセーデ教会、サン・ゼノ礼拝堂、側壁のモザイク画(3)(4)

2012年3月24日、サン・ゼノ礼拝堂の女性のモザイク画の向かいの壁にあるのが3人の男性が描かれたモザイク画。

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記されているので、3人がそれぞれ使徒のヨハネ、ヤコブ、アンドレ、であると分かっている。

捧げものを持って行く先はやはり小さなニッチで、豪華に飾られている。
何か意味があるのだと思われる。

その下の小さなスペースにはキリストを中心に男性が2人描かれている。

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可能性としては主祭ヴァレンタインと助祭ゼノだが、記されていないので分からない。

さて、次のモザイク画が2008年にはお粗末な解釈をしてしまった絵だ。

ペテロ(左、鍵を持っている方)とパウロが指しているものが十字架のある王冠に見えたのだった。

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ちょっと勉強したので、今では胸を張ってこれが天の玉座であり紫色のクッションの上に十字架が置いてあるのだと言える! 椅子の下には7つの封印の書物がある。

サンタ・プレッセーデ教会のアプスのモザイク画ではこの玉座に神の子羊が座っている

椅子には十字架が置かれているだけで空である。

中央の全能者キリストのアイコンの真下にこの絵はあるので、教会のテーマがキリストの再臨であることから、ペテロとパウロの差し出す手が「どうぞ」と言っているように感じた。

サンタ・プラッセーデ教会のモザイク画は、ヨハネの黙示録とキリストの再臨のテーマに貫かれたとても興味深い教会だった。

山登りでも上に登れば違う景色が見られるように、自分が成長すると同じものでも興味深く見られるようになる。

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サンタ・プラッセーデ教会、サン・ゼノ礼拝堂、側壁のモザイク画(2)

2012年3月24日、サン・ゼノ礼拝堂のこの壁面のモザイクも素晴らしい。

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美しい女性が描かれていて、下の野原に咲く花も見事だ。

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女性たちは記されているので、サンタ・プラッセーデ、サンタ・プデンツィアーナ、サンタ・アグネスである。

彼女たちは捧げものを運んでいる様子で、上のニッチはその対象を示しているのだろう。

この下の小さなニッチには興味深いモザイク画が3つある。

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一つ目のモザイク画は神の子羊と4匹の鹿の絵。

4つの川は黙示録に描かれた神の国の川で、蜜の川ピソン、乳の川ユフラテ、オリーブ油の川ギボン、ぶどう酒の川ティグリス。

鹿をはじめ、動物も地上で虐げられた人たちも神の国ではこれらを享受できるのだった。

図像で4つ描かれる場合はたいていエヴァンジェリストたちだが、解釈はいろいろだろう。

二つ目のモザイク画は下段の4人の人物。

左端がパスカリス法王の母、テオドラであることは記されているのでわかる。
なぜ四角いものをかぶっているかは2008年に初めて見たときはわからなったが、テオドラが聖女として扱われる前、つまり生きているときに作られたので聖女の光輪とは形が違うのであった。

パスカリス法王かと思ったときもあったが、確かにアプスの教会を持つパスカリスと似た顔立ちだ。親子はかなり本人に似せて描かれているのかもしれない。

右から2番目は赤い服に青いマントで、マリアである。
その両側はサンタ・プデンツィアーナとサンタ・プラッセーデだが、いつも片方が十字架をしている。
どっちがどっちなのか、そのうち解る時がくるかもしれない。

3つ目のモザイクはこの側面にある。

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キリストが地獄の門を吹き飛ばし、アダムとイヴをはじめ旧約聖書の登場人物たちを救済する。
今まで見たことがなかったのは、この題が私の嫌いな墓に描かれるものだからだろう。

ニッチの上部のモザイク画は他と違うデザインで、これも美しい。

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サンタ・プラッセーデ教会、サン・ゼノ礼拝堂、側壁のモザイク画(1)

2012年 3月24日、 アプシスでキリストの顔を上下逆の撮ったのは次への関連を示すためだ。

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キリストの頭の上に四角い窓が開いている。

この両側に描かれているのは聖母マリアと洗礼者ヨハネである。

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彼らの姿勢と視線の方向を見ると、この窓がある。

この教会のテーマ、再臨からすると、天上のキリストがこの窓から降りてくるのを待っているとか。
私の想像だけど。

下のニッチにもキリストたちのモザイクがある。

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こちらは記されていないので、誰だかわからない。
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2014年03月13日

サンタ・プラッセーデ教会、サン・ゼノ礼拝堂の祭壇とアプシスのモザイク

2012年3月24日、 サン・ゼノ礼拝堂はカタコンベの形を模しているので狭い空間で、正面にあるこの祭壇はとって付けたみたいだと思ったら、17世紀のものだった。

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中のモザイク画は13世紀のもので、〔マドンナと神の子〕が描かれている。

〔聖母子像〕と違って、偉そうな立派な子供である。

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両側はサンタ・プラッセーデとサンタ・プデンツィアーナ

祭壇のニッチの天井のモチーフはブドウの木の蔦の間に動物や花が描かれたデザイン

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他のニッチの天井にも同じ紋様があるが、ここが修復されたのか最もきれいだ。

その上方にアプシスがある。

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天使を柱に見立てたこのデザインの素晴らしさ!

一緒にラベンナに行った同行者はここは初めてだったが、大感激していた。

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中央には〔全能者キリスト〕が描かれている。
右手の指はまっすぐで、聖書ではなくスクロールのようなものを持っているが、パントクラトールである。

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サンタ・プラッセーデ教会、サン・ゼノ礼拝堂入口

2012年3月24日、法王パスカリス1世が母親テオドラの霊廟として造ったサン・ゼノ礼拝堂の入口は小さいが、サンタ・プラッセーデ教会内のどこよりも豪華である。

上のモザイクにすぐに目が行ってしまって見落とすが、両側の柱は黒い御影石と青いラピスでできていて、当時ではたいへん高価な建材だ。

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イオニア様式の柱頭の間には芸術品を造ったパスカリスへの賛辞がなんたらかんたら書かれている。

中央にある埋葬の壺には母親テオドラの骨が入っている。

馬蹄型のモザイク画は外側がキリストを中央に12使徒、内側は聖母マリアを中心にビザンチン風の女性たちが描かれている。

どれが誰かは不明だが、礼拝堂内部のモザイクに記されているプラッセーデとプデンツィアーナ姉妹、聖アグネスはいると思われる。

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右上と左上の隅にはモーゼとエリヤが描かれている。

右下と左下には法王の帽子をかぶった人物がいる。年を取っているほうがパスカリスだと思われる。
法服からみると19世紀のモザイクであるとわかるが、それでももう一人が誰かは定かではない。

聖母マリアの両脇には助祭と主祭が描かれている。

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アプシスにも描かれている助祭ゼノと主祭ヴァレンタインであると思われる。
助祭はゼノという名前だがサン・ゼノ礼拝堂とは関係ない。

そもそも、なぜここにサン・ゼノの遺骨があるのか(カタコンベから持ち込まれたというが)、そもそもサン・ゼノという人物は何をした人なのか、今ではわからなくなっている。

確かなのはこの礼拝堂がサン・ゼノ礼拝堂という名前であるということだ。
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サンタ・プラッセーデ教会 アプシスのモザイク画

2012年3月24日 法王パスカリス一世の命によって造られたアプシスのモザイク画は、上の部分は残っているが、下の部分は失われている。

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さらに18世紀には残っていた中央の部分も壊され、〔殉教者の血を集めるプラッセーデ〕という平凡な油絵がかけられた。

しかし、一番の冒涜はこの大理石で造られた聖壇である。

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中央の青いバンドの上に12使徒の羊が見えるが、中央の肝心な神の羊は全く見えない。

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羊は左右にあるベツレヘムとエルサレムの街から出てくるのである。
ラベンナのモザイクでも見たデザインだったのに残念だ。

聖壇上の天使像を避けながら一生懸命に見る。

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羊が4匹きれいに見える。羊の上の青い線は図像で広く用いられる洗礼の象徴だ。
この絵ではヨルダン川であると記されている。

右がキリストで、後ろの熱帯魚のようなものは雲を表している。神々しく輝いているのである。
左の3人とは並んでいるわけではない。天と地の違いが雲によって表されている。

上の白いイワシ雲の中から父なる神の手が伸びて、キリストに勝利のリースを授けようとしている。
宗教に勝利というと違和感があるが、宗教も世界制覇を狙うものであった。宗教こそが。

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キリストの左の男性はパウロでプラッセーデ(又はプデンツィアーナ)の肩に手をかけ、キリストに紹介している。左右どちらがプラッセーデかは記されているらしいが、見えない。

右上方に玉座に座る神の子羊がよく見える。玉座の下には7つの封印の書物がある。

その下にあるのが法王パスカリウス一世のモノグラム。これはオリジナルのまま。

一番左の男性がパスカリスで、四角い変わった形の光輪をつけている。
これはパスカリウスが存命中なのでまだ聖人とは呼べないことを示している。

手には教会の模型を持ち、ひたすらにキリストにへつらうという雰囲気。

パスカリウスは永遠に生きることに執着し、左のナツメヤシの上にフェニックスを留らせている。

右側のナツメヤシにはフェニックスはいないので、自分のためだけに置いているのだ。

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キリストの右はペテロ、やはり姉妹のひとりの肩に手をかけて紹介している。

一番右は助祭の服装であるが、誰だかは定かではない。
ゼノという名の助祭はここにいたらしいが、ここに飾られるほど重要だったのだろうか?
サン・ゼノという説もあったらしいが、今では支持されていないようだ。

当時は同じ名前の聖職者が大勢いて混同されることが多かった上、学者たちが安易に説を立て、ますますこんがらがっているらしい。




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2014年03月12日

サンタ・プラッセーデ教会 勝利のアーチのモザイクは黙示録がテーマ

2012年3月24日 サンタ・プラッセーデ教会の勝利のアーチのモザイクは法王(聖)パスカリス一世(817-24)の命で作られた。

モザイクの中に登場するパスカリスは他の聖者とは異なる四角い光輪をつけているので、存命中に作り上げられたものだ。

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短期間で造られたからか、パスカリスが造詣の深い人物であったからか、テーマがヨハネの黙示録とキリストの再臨で統一されている。これは凄いことだと思う。

まず、一番上の勝利のアーチから見ていく。

中央がキリストで両側は天使。
左右に6人づつの使徒たち、中央の右がプラッセーデで左は聖母と洗礼者ヨハネ。
両隅にいるのは、モザイク画ではいつもこういう使われ方をするモーゼとエリア。

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ここで面白いのは彼らが金色のブロックのようなもので囲まれていること。
ここは天国のエルサレム、Heavenly Jerusalem予知された都市である。

そのゲートには天使が立っていて花咲く野原にが聖人たちが集まっている。

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その下に棕櫚の枝と冠を持っている集団は殉教者たち。
後の代の法王により石造りの棚が造られてしまって陰になっている。残念なことだ。

右側の門にも聖人の集団が描かれている。

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天使の両側にいるのはパウロとペテロ。

アーチの縁にあるこのモノグラムは気になったが解読しようにもできなかった。

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今回、パスカリス法王のモノグラムであることがわかった。

この下には2つ目のアーチがあり、その間には星空が広がる。

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中央の玉座には神の子羊が座り、玉座の下に黙示録に出てくる7つの封印の本がある。

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右に4つ、左に3つ棒のようなものが見えるが、天国を表す7つの燭台。

アーチの中央に二つ目のパスカリス法王のモノグラム

ヨハネの黙示録といえば有翼の動物で表されるエヴァンジェリストたち

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牛のマタイ、鷲のヨハネ、

ライオンのマルコ、人間のルカ、下には12人づつの白い服の人たち

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塊のように見えるが、黙示録4:4によると、〔御座のまわりには二十四の座があって、二十四人の長老が白い衣を身にまとい、頭に金の冠をかぶって、それらの座についていた〕

ほんとうに、見事なまでに黙示録の世界だけを閉じ込めたモザイク画なのであった。

感激。
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ローマで一番好きな教会、サンタ・プラッセーデ教会再訪

2012年3月24日、サンタ・プラッセーデ教会の小さな入口

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再びここに来れたことに感謝する。

いつも、ローマはこれが最後だと思うが、今度こそこれで最後だと思う。

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2008年10月に初めてサンタ・プラッセーデ教会に来たときはアメリカ人の団体のためのミサがあって、このベンチから先には進めなかった。アプスのモザイクも遠くからでは見えなくて残念だった。

そこで、今回は人の少ない朝早くに来たのだが、誰もいない!
床のモザイクの大きな黒い円形は殉教したサンタ・プラッセーデが葬られたという井戸の場所。
(実際は一番後ろのモザイクだが、すべて逸話だから、まあいいでしょう)


人がいないおかげで床もしっかりと鑑賞できた。
現在の床は20世紀前半に造られたものだが、コズマーティ様式に忠実である。

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2008年からもう5年たち、2012年の旅行からも2年たち、写真から記憶を呼び起こすのがたいへんになっていた。

つくづく2013年の冬を「どうぶつの森」のゲームで無駄に使ってしまって後悔していた。

しかし、この間にカトリック教会のWEBページが充実し、今までの疑問がするすると解けた。
全くの独学で図像学を齧っている私には素晴らしい環境だ。
3月末には別荘に移って11月までコテージガーデンの整備をするから、急がないと。



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2014年03月11日

サンタ・プデンツィアーナ教会アプスのモザイクの解読

2012年3月24日 サンタ・プデンツィアーナ教会に来た理由はアプスのモザイク画を見るためだった。

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遠くから見るとフレスコ画のように見えるが、4世紀末から5世紀初めにかけて造られたモザイク画だ。

ラベンナと比べられるが、実際にラベンナをじっくりと見たので、それには及ばないと思った。

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それでも、ローマの小さな古い教会に4世紀のモザイク画が残っているのは素晴らしい事だ。

16世紀に大幅な修復が行われて使徒が2人減り、10人しかいない。
どこから2人削ったのかわからないが、右端は修復の多かった場所だという。

キリストの両側は左がパウロ、右がペテロである。
どちらにも女性がリースを差し出している。

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キリストは人間的に描かれているというが、むしろ父なる神の風体で描かれている。
黄金の着衣、宝石のちりばめられた十字架もキリストには豪華すぎる。

十字架が立っているゴルゴダの丘とは不釣り合いだ。

こういう絵の背景にある街はたいていエルサレムとベツレヘムである。
でも、よく見るとラベンナの絵などにある建物ではなく、ローマ遺跡が描かれている。
制作当時の教会周辺を描いたものだといわれる。

女性二人のうち、右側のペテロに冠を差し出しているのがプデンツィアーナだ。

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他の説もあるが、プデンツィアーナとプラッセーデでない女性をわざわざ2人も描く場面ではないと思う。

空にはエヴァンジェリストが翼をつけた動物のアイコンで描かれている。

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牛はマタイ、鷲はヨハネ

ライオンはマルコ、泳いでいるような人間はルカ(羽があるから天使に見えるが)

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図像学を齧っている者はこういうモザイクを見つけると感激する。
posted by iconologist at 16:10| '12 ローマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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